向かいのおばちゃんと言えばご存じの通り、一折り5000円もするいづもやのうな重を4つも買ってきてくれたり、年末になれば浅草松喜の牛肉を8kgもくれたりする、、、あのおばちゃん。
ウチの娘らは幼い頃からお世話になりっぱなしで、特に次女に関しては思い入れがハンパなく溺愛していたようだ。
近年は多少ボケも入ったのか月1か2ヶ月に一度の鰻が2週間に一度来るようになったり、、、自分でも出来そうな事をヒトに頼るようになったり、、、まぁできる限りの事は手伝ってあげてるつもりだが、さすがのおばちゃんも老いてきたのがよくわかるように・・・
そんな中、最近は何を言ってるかよくわからないくらい滑舌が悪くなり「えー、おばちゃん、何言ってるかわからない。入れ歯ちゃんとしなよー」とかみんなが言ってたのだが、カミさんの弟がやってる歯医者で診てもらって入れ歯をしても相変わらず何言ってるか良くわからず、、、日に日に酷くなって行くような気が??
で、近所のかかりつけに診てもらっても持病の糖尿以外にはおかしなところは見つからないらしい。
結局のところ何もわからず仕舞いで都立の病院に検査入院することになったのが11月の半ば。何度かお見舞いに行ったがそこにはいつもの元気なおばちゃんが居るだけだった、、、まー相変わらず何言ってるかわからなかったが(笑)
入院も検査と言いながら1ヶ月が過ぎると、、、「おばちゃん、いつ退院してくるのだろう?」と周りが口にするようになる。
年の瀬の声が聞こえるようになった12月の終わりにおばちゃんやっと退院。何事も無かったように普段の生活を始めた、、、勿論ずっとベッドの上だったので体力も落ちてるから色々と手伝いはしていたのだけど
なんの病気だったんだろ?とか思いつつも本人何も言わないし相変わらず鰻だ肉だ国技館の焼き鳥なんかを毎日のようにくれるのでそのままにしていた。(もうかなり頑固で、、、断っても意味が無いのをわかっているのでなんでも有難く頂くことにしてます)
変わったことと言えば流動食のお弁当を取るようになったこと、そして週に何日かヘルパーさんが来るようになったことくらい?足腰弱ってるのに相変わらず2階に上がって寝ているみたいで、それだけがちょっと心配だね、、、なんて家で話してたのね。
そんなある日、おばちゃんの甥っ子さんが病院連れて行くんでウチの前にクルマ停めてて、、、
聞いてます?
いや、何も、、、
実は、、、ALSだったんですよ。。。
何言ってるかわからないけど、、、いやALSは知ってるけど、まさか・・・ねぇ??
ALS【筋萎縮性側索硬化症】
大きく分けて4つのタイプがあるらしく、おばちゃんは言語障害や嚥下障害(飲み込んだり出来ない)が起きるタイプらしい。参考までに山本太郎が無理やり参院に当選させた船後氏は気管支に出るタイプで自立呼吸が出来なくなるタイプで一番本人が辛いヤツね。
いやー、1万人にひとりの難病がおばちゃんを襲うとは思わなかった。そう、思い起こしてみれば、、、だんだんだんだん、、、しゃべれなくなぅてきたよな??いや、だからってなんでおばちゃんなのよ??
気の毒で仕方ないし、娘達も悲しそうにしていたけど、なっちゃったもんはしょうもないので今まで以上に気を使うことにした。正確に意思を伝達出来ないのだからフォローすることは勿論、毎日夕方には安否確認することに、、、
あれだけ好きだった買い物も行かなくなり、毎日流動食、、、何か話があるときは筆談。気力もどんどん無くなるわな、そりゃ。
難病ALS・・・頭が聡明なだけにホントに患者にとっては残酷な病気らしい。
しかし、悲劇はそれで終わったわけでは無かった。
続けたくないけど、つづく