2020年06月19日

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

釣り業界も今年は年始から色々あった。1月の横浜フィッシングショーは「横浜釣りフェスティバル」と名前を変え規模を縮小しての開催、2月の大阪フィッシングショーや同時期開催のフエルコカフェはコロナの影響もありマスク着用が半ば義務化されたような雰囲気だった。そして3月に予定されていた名古屋キープキャストはコロナ本格化で中止・・・そこからイベントというイベントは中止を余儀なくされ現在に至る。

まぁ資本力のあるシマノやダイワなどは雑誌媒体やYouTubeなどのネットを駆使して新製品アピールをすることも出来るが中堅以下には非常に厳しい時代となり定期的に釣具店で開催している小規模イベントも全て中止。動画を作成しても釣行動画なんかアップすればすぐさまリスナーに叩かれる。カタログを小売りの現場に大量放出したところで手に取って見るヒトも釣具店にはまばら・・・そうアピールする現場すら喪失してしまったのである。

今回は横浜釣りフェスティバルに何故か行かなかったのだが(トッキーに誘われなかったからかーww)、イベント縮小傾向の中でもとりわけスペースを取って集客していたテイルウォークのブース・・・例年数百本のロッドが展示され、カタログに頼らなくても実物が手に取れるというファンにとってはありがたい展示方法を今年も行ったらしい。

そんなテイルウォークのネイティブトラウト用であるトラウティア、、、43LC-Tというテレスコなどは自分も使っていてこれがまた値段の割に凄い良かったりする。コルクグリップにアルミのトリガー、リールシートは洒落たウッドをあしらい実売1万3千円ほど。非常にリーズナブルなシリーズなのよ。

で、、、2020年春トラウティアは2機種追加となる・・・元々新発売とかあまり興味ないんだけど今回は何故か目を引いたんだよなー。リールだって最新のはまず手を出さないのにねー

追加品番は46L/C-FSLと53L/FSL。46はベイトロッド、53はスピニングロッドなのだが、通常のロッドと違い品番末尾に「FSL」と刻まれている・・・おわかりになるだろうか?

そうFSLはフルソリッドの略号。見た目はワンピースなのだが実際はバットジョイント2ピース。仕舞寸は46が119cm、53は138cmとなっている。時代に逆行してる感満載ね(笑)

昨今の航空機事情において機内持ち込み可能な釣り竿は全長60cm以下となりそれ以上は手荷物として発券時に預けなければならなくなった。元々その制限は曖昧だったのだが今現在は荷物検査の時にメジャーまで出してきて測るようになっている。

そういった中、パームスがNewクワトロ、アブガルシアはZoom Safari、そして大手メーカーも競って仕舞寸法の小さなものを発売しまくる・・・そう今やマルチピースやテレスコといったパックロッド全盛の時代なのである。そういう自分も気付いてみればパックロッドだらけ、、、そりゃワンピース、2ピースに比べれば多少の性能は落ちるかもしれないが機動性の高さはそれを凌ぐ魅力がある。

それが、、、今、、、何故に、、、

カーボンフルソリッドバットジョイントなん???

テイルウォークさん教えて!!・・・と試しに「トラウティア 46L/C-FSL」でネットを検索してみれば、、、紙コップにシンカーをピン撃ちするメーカー動画がひとつ・・・これも実際本機を使用して撮影したのか定かでない。

そしてタックルレビューに至ってはほぼ見当たらない・・・今時フルソリッドという製品を出すには開発者さんらも苦労を相当重ね、やっとのことで完成し、満を持して世に送り出したに違いないのに、、、彼らのコメントすら見つからない。恐らく未だ脚光を浴びることのないもっとも不憫不遇なロッドのようだ。

なんで〜なんで〜??と連呼したくなるがカタログにすらそのコメントを見つけることは出来ず疑問は益々深まるばかり。フルソリッドで芯がみっちり詰まってる故に同シリーズの継ぎ竿より10g近く重い97gというスペック、、、当然チューブラーより感度は悪いはずだし、ティップの持ち重り感も出るかもしれない。フルソリッドのメリットと言えば・・・基本的にベンディングカーブが美しく、魚が食い込んでもティップからバットまでのバランスの良さで魚をいなす・・・違和感与えずファイトが出来る・・・当然バラシも少ない、まーそんなとこだろう。


オマケにシリーズで一番高い2万円という上代設定・・・ワンピースみたいなもんだから安いんじゃないの?ふつう・・・と思われがちだがフルソリッドは大元となるブランクス選定で非常に気を遣う代物。ティップがちょっと曲がってたりしたら製品にならないから素材であるブランクスに継ぎ竿の数倍のコストが掛かる。もしかしたら2万という上代はむしろ安いのかもしれない。

そして・・・突如「人柱」という文字が頭に浮かぶ(爆)

46L/C-FSL・・・検索してみれば販売しているところも少なく、上代は2万2千円(税込)だが実売は1万5〜6千円(税込)くらいのようだ。レビューに至っては全くなく、どこ見ても売れてない感が溢れている。うーん、怪しい。1回の生産で2度目のないヤツかもしれん、、、というのもテイルウォークって毎年生産終了する品番めちゃくちゃ多いのよね。

で、、、で、、、手持ちのPayPay残高が使え、その中でもPayPayボーナスとTポイントが合わせて4000ptと大量に付くとこ選んでポチッとな(笑)

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

青いシマシマのお兄さんがブツを届けに来たのはその2日後だった( ̄▽ ̄;)

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

第一印象・・・いやーフルソリッドはマジ細い。入れ子式であるテレスコの43LC-Tと比べればその差歴然!

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

43LC-Tのテレスコが元ガイドのみダブルフットなのに対し、FSLは元ガイド2つがダブルフット、そしてトップは同シリーズの継ぎ竿やテレスコと違い若干小径なガイドを使っている。素晴らしいのは8コある全てのガイドのフットの高さが適度にありベンディングしたときにラインがロッドに触れないところ。最近のマイクロガイドには出来ない芸当だね〜。

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

ほら、先の方までフットが高いでしょ??

そしてショートロッドだからなのかフルソリッドによるティップのダル重さも感じない・・・とか言っても同じような長さのカーボンロッドと振り比べればその差はちょっとだけわかる。

実際に3gシンカー付けて撃ってみれば、、、、まさに針の穴を通すようなピン撃ちの為のロッド。鞭のようにしなりやたら低弾道。ただ、高いターゲットへリフトするには少々コツがいるかな〜?

近いところで言えばグラスフルソリッドの鱒レンジャーシリーズがあるがグラスで撃てるスピードなんて所詮決まってる。グラスの反発がカーボンのそれを超えることは無い。当然鱒レンジャーよりも軌道はシャープ、しかしあのネバーっとした独特の復元力を持つフィッシュマンのBeamsシリーズと比べると若干トルクが足りないって感じ?

うーん、現場でボサ下撃ってみたい、、、ということで栃木の工場行くときに持ち出したわけ!帰りがけに30分くらいやれればなー

仲間うちでやってるスプーン年間100目の為なのだが、1月にスタートして3月末で85目。しかしそこから先になかなか進まない。今現在6月になって87目・・・もちろんコロナの影響もあるんだけどね。だからどうしてもウグイ・カワムツなどなどを釣らねばならない。いや、別にヤマメ・ニジマスとかでも良いのだが漁業権の無い・・・当然入漁券の必要無い川行くのでそんな贅沢なマス類は放流もされてないし、恐らくいないのよ(笑)

当日は新しいパターンプロッターカッターの導入もあったりしてその設置に立ち会っていたんだけど空を見れば蛸唐草のような雲、そう上空は気流が巻いてて南の風が強い。投げられるのか??とか思いながら作業とミーティングを終えて工場をあとにする。

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

まぁ、川に行くと言っても大袈裟なことではなく高速のインター手前の畦道をしばらく走れば良いだけ、、、ただ、田植えも終わって水を湛えた水田の脇を行くのでクルマはあっちゅー間にドロだらけになるのだけど(笑)

もうこの時期になると草という草が繁茂し川筋に降りられる場所すら見つけられない・・・知らないヒトは入れないよね。。とりあえず最初は細い支流が流れ込み若干の反転流があるところを狙って数投、居れば必ずチェイスしてくるのだけどお留守みたい。そしてガタガタ言う護岸ブロックを踏みながらちょっと上流へ、、、川幅10m位で両岸ともボサで覆われ流れの弱いトロ場のスポット。対岸のボサ下からAPOON3gオレンジアワビを引く、、、ボサから飛び出してきたおサカナさんがカツンとあたるがフッキングせず、、、フックサイズ大きいんかな?

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

ってことで小さなフックに交換してあるAPOON2gブルーにチェンジ。フリップでボサ下に突っ込む、、、コッッグッッ、ブルブルブルッっと小気味良い引き味で上がってきたのは12cmほどのカワムツだった。いやー小さいけどファーストフィッシュは嬉しい(笑)

カワムツさんにはお帰り頂き、次はウグイでもと流れの緩い本流ディープを引いても反応無し、、、

で、ちょっと難易度高いけどオーバーハングの強いボサ下に・・・おースパッと入って気持ちよいよい〜、、、と思ったらコツッ!


ドッカーーン!!


え?この川にそんなデカいやつおるんかい??ってくらいの引きにビックリ。フルソリッドのロッドをフルベントさせラインは右に左に、、、ヤツはとにかく対岸のボサに潜ろうと必死。メインPE0.4リーダー6lbなのでムリはできない。でもロッドに至ってはブチ曲がってるのに全く不安がない(笑)

ラインはどんどん引き出され、チャーーッとアルデバランのクリック音が響く中、指ドラグも合わせてなんとか対岸から引き離す、、、しばらく流れの中でやりとりしたあと、今度は手前の護岸に向けて突進、ブロック下に何度も潜り込む・・・もう、この時点で皆さんおサカナの正体わかりましたよね??

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

ナマズちゃんでしたー( ̄▽ ̄;)

幾度も足元のブロックに潜り込みリーダーブチ切れそうになって上げたナマズーは50cmオーバー。トラウトロッドには立派過ぎる相手でした。タオルもフィッシュグリップも持ってないし、ブツ持ちしたくないのでリリーサーにてお帰り頂く。もうリーダーも引き摺られまくれカールしてヘロヘロなんでストップフィッシング、またまたドロだらけの畦道走って帰路についたのでした。僅か20分の釣りでしたが思わぬゲストのおかげで大興奮、おニューなトラウトロッドにもナマズの魂がしっかり入ったとさ(爆)

Tailwalk Troutia 46L/C-FSL レビュー及び実釣

帰ってリーダーチェックしてみれば護岸にズリズリされてボロボロ。よく最後までもったもんだわねー(笑)

さて、、、Troutia 46L/C-FSLまとめです。ティップは思ったより感度良く小さなアタリでも逃さないと思います。ソリッドゆえ多少重いかもですが1日遊んでも疲れるような重さではありません。トップ5mm、2番から6番までは5.5mm口径のフットが高いガイドで糸抜けも良く絡みなんか皆無、7番8番はソリッドによるティップの重みを解消するためにロッドバランスを考えているのかダブルフットガイドとなっているところも良い仕事させてるんでしょね?

特筆すべきは魚への追従性、しっかりテンション掛かってるときのフルベントから一瞬抜けたような状況まで確実についていきます。あとなぁ、欠点上げれば、、、グリップなんだけど・・・あと5mm長いともっとしっくり来るかな?手の大きいヒトは手のひらにグリップエンド当たって痛いかも。

最後に、、、ひとことで言えばワンピース好きの源流トラウトマニアには最高の1本だと思います。どうしても値段が高いベイトフィネス系のリールは必要になりますがそれに合わせるにはお値段的にもリーズナブル・・・ただ、来期テイルウォークが再度宣伝打たない限り廃番の危機に陥るかもしれません。

買うなら今しか無いかと・・・とりあえずソリッド沼に突入したいヤツ誘ってみたりして( ̄▽ ̄;)


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Posted by pigret at 13:00│Comments(2)釣りタックル
この記事へのコメント
人柱いただき、誠に有り難うございます。(笑)
とても勉強になります。

何度も読み返して、やっぱりBeams blancsierra 52UL Equalityが欲しくなりました。(爆)
沖縄県内の釣具店で3.9UL LIMITEDを触ったのですけど、あの(独特の)柔らかさが52ULにもあるなら、欲しいです。
Posted by 雨ふらし雨ふらし at 2020年06月22日 21:41
雨ふらし様
Beams blancsierra 52UL Equality・・・良いですね〜。栃木のWILD ONEで触りましたが均等継ぎ故にバットがしっかり曲がってオマケに強い、、、欲しかったですが値段が( ̄▽ ̄;)
でもかっこいーからなー、来年モデルでも検討しまっす(笑)
Posted by pigretpigret at 2020年06月23日 06:50
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